全体最終講評(動画)

7/10、選出者の最終講評が行われました!

大変遅ればせながらその様子の動画をアップしましたのでご覧ください。
ファイルの重さの関係で、後半部分は3つに分割されていますが、ご容赦下さい。

まずは、前半の西倉君、林君、王さんの講評の様子です。


次に、後半の北潟君、米沢君、藤間君の講評の様子です。

まずは3人のプレゼンと北潟君の講評です。


次に、米澤君の講評


最後に藤間君の講評です!!


最終発表したみなさん、お疲れ様でした!

全体最終講評

7月10日、選出者の最終講評が行われました。
前スタジオにおいて発表したのは西倉くん・林くん・王さん・北潟くん・米澤くん・藤間くんの6人です。

 

以下、概要になります。


* * *


○西倉美祝/「Maximum Mountain of Minimum Lives」

建築を粒子の集合と捉え、質量のデザインをする。空間の粗密を内部に展開させることで、新しいアイコン建築を考える具体的には構造の容積を普通のものの6倍にすることで粗な場所を作り、それにより風・熱・光の微細なデザインが可能になる。

 

隈先生:かっこよくて、構造建築に対する新しい提案になると思う。内部はどうなっているのか?
→ガラスの箱の部分と半屋外空間がある
隈先生:固定した内部空間があるよりも、可動の間仕切りによって内部と半屋外が季節によって変えられると良いのではないか。
→外部空間・内部空間の取り方は考えていて、あえて固定しているというのもあるが、そうかもしれない。

 

伊東先生:そもそも、どういう課題なのか?
→2000m2以上の非空調領域を設計するというもの。シミュレーションを行いながら設計する。
伊東先生:シミュレーションは自分でやるのか?
→はい。
伊東先生:設計に空気の流れや温度の違いを取り入れることはこれから重要で面白い。西倉君の案は均質なものを作っていると思うのだが…。
→そのようなことはなくて、環境の微妙な差は実現していると考えている。
伊東先生:内部に完結するものでなく、周りとの関係でできてくるものなのではないか。
→北京という敷地では周囲を細かく読み取るというイメージはしにくかった
伊東先生:絵はすごくきれいだが、北京の空気はすごく汚い。そういうところでこのプロジェクトではどう実現するのかと気になる。

石川先生:北京にも一緒に行ったし、どうしても聞きたい。内部空間は模型からはわからないがどうなっているのか。また、人の密度や緑の密度なども読み取り反映されていると良かった。



○林樹樹/「Crossover Yao Dong」

地下空間の無機質な開発へのアンチテーゼとして、光・熱・風のフェーズを経て地下空間を構築していく。ヤオトンから抽出した要素はグリッド・動線の確保・拡張性。シミュレーションを行いながら設計し、ヤオトンの形式の三次元的な再現を考えた。

 

隈先生:ヤオトンという発想は良いと思ったが、土の質感をもっと地上にも出しても良かったのではないか。
→中国における大開発に対し、あえて地上には何も作らないことを考えた。

伊東先生:これはこれできれいだと思うが、シミュレーションする前からイメージが決まっている。それはどうなのか?
→西倉:今はシミュレーションでできるレベルがあまりに低い。
伊東先生:イメージはないと事が始まらないが、そのイメージはシミュレーションによって変わると思う。「ファシティック」という言葉がキーワード。

 

川添先生:地下空間を巨大な蓄熱体とすると、輻射の方が大事なのでは。通風よりそれも大事。

佐藤先生:構造と同じように、部分の詳細から全体なラフなモデルの拡張はできるはず。できないと断言するのは良くない



○王卉/「川百納海谷若懐虚」

北京において、砂を飲み込む建築を考える。3つのスケールで環境と歴史を結び付けていくことを考える。敷地の歴史・文脈に融合した環境建築である。

 

隈先生:四合院に挿入するというのは大胆で面白いと思うのだが、四合院は中庭空間が面白いのではないか。それを生かしながらのデザインはできたはず。建築が、形が目的なように見えてしまう。

伊藤先生:四合院が人は住んでいないのか?
→住んでいない。

伊東先生:模型は面白い。環境との関係の上で成り立っているのがわかる。構成が問題だったのではないか。

佐藤先生:構造は面白いが、模型をもっと工夫できたら良かった。固いシェルをもっとよく表現できるのでは。

 

石川先生:模型は良い。しかし外部空間の位置づけがよくわからなかった。四合院と広場の関係は?そこから形は設計されていくのではないか。
→広場が文脈としてつながっているわけではない。
石川先生:そのような歴史をふまえた提案だと説得力があった。

伊藤:3つ(西倉・林・王)ともグリッドが使われているのが面白い。



○北潟寛史/「芝浦屠殺場及東京食肉工場リノベーション」

品川における近代化による居住空間と外部の断絶を解消する。食肉工場に、汚染物質を吸着するブロックを粗密をつけて配置していく。丘の上部には臭いをマスキングするBBQ場・お花畑などを展開する。

隈先生:ブロックは周りに対して貢献しているのか。
→最初のモチベーションは内部をいかに良くするかだったが、周囲の環境の非空調ポテンシャルを生かすこともできると考えている。
隈先生:中だけのためにしてはやりすぎだと思う。周囲のプログラムをもっと引き込んでくると面白かった。
→周囲との関係性は考えている。一般の人の生活動線の一部になるとか。
隈先生:商店街を引きこむなど、もっとアクセッシブルでないと。

千葉先生:結局全部屋根で覆ってしまうのか。結果的に半屋外空間ができるとかがあるとすごく面白かった。

 

石川先生:土壌浄化とあるが、土はどこにあるのか?
→土壌でなく、加工したブロック
石川先生:構造体なのであれば今のようにならないのでは。どれが屋根で、どれが肥料をつくるものなのか。

伊藤先生:すごく面白いテーマ。迷惑施設をどうするべきか。屠場というものから、臭いの要素に固執したのはなぜか?
→最初に注目したのは周りの壁。
伊藤先生:臭いだけでなく、「見えない」ということも大事だったはずである。

伊東先生:なぜBBQなのか?
→ファブリーズのように良い匂いで悪い臭いを包むようなことを考えた。

石川先生:模型がすごくきれいだった。流体的なデザインをもっと説明できたら良かった。



○米澤星矢/「Liv in' Sphere

球体のシェルターを考える。福島でのようなことが北京で起きたことを想定する。人はこの中で太陽の動きにそって生活をしていく。これは、将来の災害を想定しているが、人間に必要なエネルギーの大きさの可視化でもある。

 

隈先生:都市に対する視点が欠けているのではないか。

伊東先生:四角いビルでも良かったのでは。
→空気の循環を考えると、球体の方が有利
伊東先生:右の図を見るとなかに四角い箱があるのではこういうのは面白いと思うが、やるんだったら徹底的にやってほしい。
→250人を想定している。
伊東先生:それは少ない。

 

川添先生:構造模型があるが、これでは何年かかるかわからない。もっと小さいモジュールから組み立てていくのでは。構造の考え方がこの案の構想からぶれていて、面白さを減らしているのではないか。

伊藤先生:住んでいる人のイメージは?社会集団のような感じか。
→すべての人がうまく役割分担して住む
伊藤先生:環境を考えることは社会主義のように感じる。

千葉先生:普通のビルの代替案のように、想像できる範囲内でデザインしているが、もっと土木的にインフラのようにつくることもできた。スケールがこれで良いのかということが気になる。



○藤間久秀/「Nomad Adapting Office」

創造性を生み出すオフィス空間を考える。PCによる熱を地下空間に集約し、それによりスーパーフリーアドレス空間を実現する。暖かい配管・冷たい空間があり、それらが内部空間にランダムに分散することで空間の環境に変化をつける。

 

隈先生:西倉君のに近いが、グラデーショナルに内部から外部に展開していくことが大事なのではないか。もっとシャフトもランダムに配置すれば良かった。
→生産性を保つ安定した空間も必要と思った。

伊東先生:模型のイメージは良い

小渕先生:課題についてになるが、とにかくいろんなことをやりすぎている。文化的なのか、環境的なのか。環境がおまけになっているのもある中で、この案は環境にしっかり向き合っていて良かった。

 

西出先生:こういうオフィスが成立する条件は何なのか。このオフィスで仕事をする必然性が感じられない。
Googleのオフィスなどのように好きな場所を探して仕事をする。
西出先生:すごく集められているという感じに違和感を覚える。

石川先生:ランドスケープだからすごく気になるが、このように内部に木は生えない。生きているものを建築の装置と同じように無暗に書かないでほしい、緑がアクセサリー的に書かれている。


* * *


全体最終講評においては、貴重なご講評を沢山頂きました。
前スタジオの「環境を考える」というテーマでありながらそこから新しい発見はあまりなかった点、建築としてしっかり詰め切れていなかった点、前スタジオ全体にも通ずる今後の課題が見えたものでもありました。
発表した皆さんはお疲れ様でした。


今まで3ヶ月もの間ご指導してくださいました前先生・講師の方々、本当にありがとうございました。
受講生の皆さんも、本当にお疲れ様でした。

最終提出+ポスターセッション

今日は今年度夏学期の東大建築学科スタジオ課題の最終提出でした。前スタジオも3階演習室の指定された位置に最終成果物の展示を行いました。

最終提出直前の製図室の様子です。緊張感にあふれていて、容易には立ち入れない雰囲気を醸しだしていました。

 


12:00から14:00までが展示の時間です。皆次々にパネルを貼り、模型を展示していきます。前スタジオで一番に提出したのは田中さんでした。藤間くんは○万かけてアクリル棒をふんだんに使った模型を作って来ました。

 



そして14:00から18:30まで、ポスターセッションが行なわれました。東京大学のスタジオ課題では、全てのスタジオの作品が一つの部屋に展示された部屋を、全ての先生が巡回し作品を採点していきます。生徒たちは先生たちに話しかけて自分の案を説明することでアピールすることができます。教授、准教授の先生方はこのポスターセッションを受けて(自分のスタジオ以外から)10作品を推薦することができます。得票数の多い案が1週間後に行なわれる第二次講評会で発表する権利が得られます。前スタジオの受講生たちも、最終講評に進むべく積極的にアピールしてました!

 

 

 

最後に、今年度前スタジオ個人作品の紹介です。

石綿麻矢


「煙突のある水の丘」
芝浦水再生センターの上に、自然の力で臭気対策を行う塔、水の巨大な熱容量を利用したオフィスが一体となったランドスケープを作る。


●北潟寛史


「芝浦屠殺場及東京食肉工場リノベーション」
屠殺場の上に巨大な丘を築く。そこ土は工場から出る汚染ガスを浄化し、品川の中心に新たなランドスケープを生み出す。

●清野新


「透過するオフィス」
品川の運河はその都市構造と硬いオフィスビルによって街と隔離されている。オフィスビルの外皮を多層化することにより内部の空調領域と外部がグラデーショナルにつながる。

●兒玉和生


「都市のヒートシンク
既存建築に水の通った帯状の配管を差し込むことで、内部の熱を吸収し、夜間放射で冷やす非空調飲み屋群を作る。屋根から張り出した配管により屋上に新しい風景が生まれる。

●紺野光


「限りのない駅ビル」駅ビルだけにお金が落ち、周りの商店が衰退していかやいように、できるだけ開放した形式の空間を作る。その上でとどまる、居るというなことができるサードプレイスとしての駅を作った。

●林樹樹


「Crossover Yao Dong」
ヤオトンの持つ光・温熱・風の環境リサーチと、その構成原理を展開させた、新しい地下鉄駅空間を作る。地下鉄の風と太陽の光で挟まれた間に快適な非空調空間が生まれる。

●松田仁樹


「Parasite Office」
下水処理場から出る汚泥で作られた煉瓦を積層させたボイドで超高層ビルを作ることにより、ビルの求心力を反転させる。

●西倉美祝


「1/6質量の法、あいまいな山」
超巨大スケールの環境で、身体スケールを思考したアイコン建築を考える。三種類の材による軸とガラスの床壁で構成されたこの建築は材の粗密によって様々な空間を創出する。

●小原克哉


「中国民俗博物館」
中国のあらゆる気候帯の美術品を所蔵する美術館。建物ボリュームの日射受熱量を先鋭化することにより、美術品の生まれた気候帯を再現する。

●王卉


「川百納海谷若懐虚」
北京を敷地に黄砂を飲み込む建築を設計した。砂を吸着するような環境的な面と、歴史的なコンテクストを両立した形状となった。

●田中彩


「Ventilation Wall」
堤防に壁を突き刺すことによって、北千住の街路に荒川の風を流し込んでいく。堤防によって分断された環境を繋ぎ合わせる試み。

●藤間久秀


Nomad Adapting Office」
ノマドのための多様な空間、環境を持ったオフィスを設計した。地下のデータセンターからの熱と室外機室内機を結ぶシャフトでから出る熱を利用する。

●富山創樹


「傾きの集住」
富裕と貧困の間で揺れ動く街北京で、最適な集合住宅の形を模索する。季節ごとに最適化されたボイドを開けることによって、すべての人のライフスタイルを受け止める形となる。

●米澤星矢


「Liv in' Sphere
自給自足型の球体建築。原発事故が起こって放射能で汚染された世界のためのシェルターを設計した。太陽の熱による空気循環と日射の当たり方をパラメータに空間を作った。

●吉冨透悟


「ゆるやかなつながり」
北千住の商店街をツタを絡ませたメッシュで覆っていく。それと同時に建築的操作を加えることで、商店街を非空調領域化していく。

以上です!受講生のみなさんお疲れ様でした!

講師最終エスキス

最終提出まであと4日となりました。
今日は講師最終エスキスということで、乾先生、末光先生、中川様、羽鳥様、前先生と講師陣が全員そろってのエスキスとなりました。






(以下、I;乾先生 S;末光先生 N;中川様 H;羽鳥様 M;前先生)

田中さん
河川敷に吹く冷たい風を取り入れる堤防。風の道。

M 形をもっと操作するべきではないのか
S 風速の設定を変えてみたか?
→変えていない。3mのまま。

M ヒートアイランド対策できく話は、川の上を吹く冷たい風を取り込みという話だから、川をまたぐような形でないといけない。ヨットの帆みたいな形がいいんじゃないか。
 
S 扇風機とかの形をみると、渦をつくって風の流れ

I 分散する形はありか?
H 分散すると抵抗が増えちゃう。

M 構造を考えないといけない。


王さん
砂を吸収する環境建築。プログラムは美術館。周辺にはしごういんや胡同がある。
黄砂が北京の大きな問題。懐が深いほど、砂を吸収するものである。
HPシェルで構成されるうろこで砂をキャッチ。
南側に砂がたまるので開口部はなし
北側は一部開口部を設けて自然光利用。
桃源郷のような空間。最初が狭くて、奥が広い空間。


I 砂はたまりきったら、メンテナンスはどうするの?
→10年はメンテナンス不要な見込みがある。

部分模型の縮尺は1/10

I 既存に入り込んでいる意義は?
入りたいっていう意思をわかりやすく表現してはいけないのでは?

M 砂をとる部分をもっとデザインするべきなのでは。

H 一方向だけを想定したものではなくて、全方位を想定して、砂を捕まえる建築ということにするべきでは。

H シミュレーションの最初のステップのセクションは?

H ステップバイステップ感みたいなものが必要。円からだんだんえぐっていくみたいな形で最終形になったみたいな。
 
M プロセスの明示が必要である。

M 凹凸の意味をはっきり説明できないといけない。

S HPシェルはヒートカッターでもつくれ、量産できる。


兒玉くん
夜間放射するのはパネルではなく、短冊状のものになる。
内側にいくとテーブルとかイスとか家具になって、放射冷暖房のシステムになる。

S 陸屋根と切妻どっちが多いの? 陸屋根が多い

S アーチになったのはなぜ?

M とんがり屋根の方がよかったのでは?

H システムを適用させる敷地を間違えたのではないか
周囲に放射してしまうということを

S できる形が地味なのでは。

H アヴァンギャルドだから悪いというわけではない。形とシステムのバランスをどうとるかという話。

S 屋根が前の形だったら、屋上にビアガーデンとかできた外部空間も設計できると思ってた。

S 差し込んでいるということがわからなくなった。

M 夏と冬とかのバランスはいらなかったのでは。

I 残念がらぱっと見てよくわからない

I 今までの形を組み合わせれば、もっとできることがあるのでは?

H 変態的な執着が必要

I きのこのほうがよい

→きのこに集中します!

S 逃げちゃダメです。


石綿さん
敷地は品川の下水処理場
煙突の太さと高さが変わっていく。
脱臭させながら煙突から排気する。

H 品川は羽田空港の影響で、高さの上限が決まっている。

S・I 窓ないと厳しい

I プランが面白くなれば、いい提案だなとなる。

H 煙突は四角なの?

I・H 下は全部つながっているのでは。プラン的に厳しい気がする

S ランドスケープ的に良いのではないか。
  煙突の間にカテナリーが現れてよい。そのままガウディ?

S 落とし穴みたいなところはなに? 空気を取り込むところ。

H 断面の図面とかもっとちゃんと書いた方がいい。
 もっと構造的なリアリティを。

M 煙突が下まで貫通していないことがありえない。


林くん
グリッド、動線の確保、拡張性というルールで
温熱レイヤー、光レイヤー、風レイヤー
夏場涼しくなるかが重要だと思っている。

S 東西的に細長く、穴をあければよかったんじゃない。そこをどうでもいいって言っていいの?東西方向に長く、深く掘ればいいというのは発見なので、それを最大限生かすべきでは。

M 光と風が何が違うという認識がないのではないか。

H 3つのレイヤーわけの機構が機能していない気がする。

I 3レイヤーとグリッドの形に対応があればまだ納得できる。例えば、グリッドのスケールが違う。

M 風は通すけど、光は通さない。風は通さないけど、光は通すみたいな形をもっと考えるべきでは。

H まだグリッドの機構がならてぃぶすぎる

H 空間は悪くないけど、ストーリーの組み立てがよろしくない。

H ヤオトンが風を遮るために最適化された形に見えないので、環境によってつくられているという

S 表面積と温熱環境は関係があるのではないか。掘る量の前提を決めないといけないのではないか。

S 形を決定されるルールを見つけないといけないと先週言った。ヤオトンを参照しろといったが、それで決められないようでは他のパラメータを

M 光と温熱のレイヤーは逆ではないか。

S 風の抜け口だけではなく、入りもいれなくていいの?風速を決めればルールになるのではないか。

S 三層にしたのはなぜ?  地下鉄の深さがだいたいこんなもんだから。


清野

I 商業とボイドの関係は?

I らせんの理由は?環境の話はいずこに?

M コアとか動線計画の重要なのでは?コアの前がペリメーターだったり、そうじゃなかったり、っていう操作がメインなのではないのか。

I らせんの形式が強すぎる。

M インテリアゾーンにしか柱がなくて、ペリメーターゾーンに柱ないとか。

H ガタガタならせんだと、プランの自由度が小さくならないか。

S コアが発展したみたいなプランになるといい。

S オフィスの歴史はコアの歴史

H 縁側オフィス


北潟


M リアリティがまだ出てない。建築化していない。。

I 食肉工場のラインって一直線にできるの? 今の工場は段々出来てきた歴史があるから、直線にできる

M フルスクラッチでやる必要は?既存に付加する

I このデザインボキャブラリーの理由は?

M 操作とリターンのバランスが釣り合っていないのではないか?

H ミニマムレベルだとフィルターか、煙突つけるかになってしまう。

I 端部が広がっているのなら十字の理由がわかる。

S 余っているところにレストランとか資料館が入っている感がある


藤間
田町〜センターの敷地にノマドワーカーのためのオフィスをつくる

S 温熱環境のムラができる

M シャフトの柱の太さが同じなのか

H シャフトをやりたいのか、空間の形をやりたいのかよくわからん

I 内外の仕切りがよくわからない。

S 巨大な庇空間があって、放射冷房があるっていう提案の方がわかりやすい

M 柱は何もがんばってない。壁はあきらめる。

M 柱の疎密がない。

H このシャフトによって、中間期が伸びて、窓が開けられるっていう話を

S シャフトだけでジャングルとかフォレストとかつくれればいいのでは。

I プログラムを書いてはいけない

H アクティビティで記述するとか。

I 服装を変えるとか、温湿度を書くとか。


米澤

M 循環システムっぽくなってよくなったのでは。

M 落ち方みたいなところをデザインした方がいいのでは。

I 畑とかはどこ。

M 方位性に命をかけた形にしないと。いえる見込みはある。

S スラブいれてシミュレーションできないの?

S 北側・南側どちらにスラブを偏重させるとよいか、シミュレーションすれば

I 何人住めるの? 150人しか住めない。

H もっとスラブがスカスカでもよいのではないか。

S 日のあたるっていうのでスラブのロジックで決まっているのなら、日の当たらない床を何に使うかが決まればいいんじゃないか。

M 涼しい場所はつくらなくていいの?

H 常時の機能は? 

N 150人しか入れないのは圧倒的にナンセンスだから、そこを自覚的に批評的にやるべき?思考実験といいきるべき。

M 核戦争みたいな話をするのなら、常時はぺしゃんこみたいな。非常時に膨らむ

N 建築化するには開放系じゃないと成り立たない

S 気積はいっぱいあって、日の当たる部分だけにスラブがあるみたいな形があればいいのでは。


小原

N 環境のシークエンスみたいな話はないのか。わかりやすい指標が導入できればいいのか。動画とかで表現すればいいのでは。
暑い寒いみたいなものが交互にくることは考えている。

I 環境とプログラムが対応している例として、面白い。プラン、配置はどう決まっているの? それぞれの特性が

H プログラムの話を最初にした方がいいのではないか

S 微妙に常識が入っている。振り切らないと。

M ぶつぶつに棒が入っているようにみえるのではもったいない。

H 断面展開図で表現すればいい。


富山
基本的に話は同じ。閉じたような外部空間が必要。

S 全然違う

H まず話を聞こう。

M センターヴォイドのタワーマンションのアンチテーゼにはなりうる。

N 裏と表を変えたい

I 環境シミュレーションがあることで生まれた形態ではない。

S 前スタじゃないかも。

H 中庭をディベロップするのにシミュレーションを使うとか。

H 周囲の容積率と同等なのか。

H 動線がどこにあるのかわからない。。

M いろいろ案を変えた中で、残ったものはないのか。

N 夏しか考えないのではあれば、今だと風が抜けないように見える。

N 浮いていれば話は違う。

H 周りのマンションの形式は?

N しごういんの良さを実現するための形をシミュレーションによって形をスタディしていけば。

S 真ん中をどのように豊かにするかを考えればいいのではないか。

吉富

S 庇の具体的な形を考えてくるんじゃなかったの?

M ツタの伸びる限界、到達距離とかが制約になるのでは。

M 土はどこにあるの?

N 緑の量に応じて、店の開き方が変わってくるのではないか。

M 壁面緑化、屋上緑化などの対案と比較検討すべきだった

松田
ゼオライトによる多孔質の構造体を貫入させて、強すぎる上空の風を緩和し、自然換気ができるオフィスを考える。敷地は品川の下水処理場のあるところ。


I 内部空間を考えるべきではないか。

S CGがよくない。マッシブすぎる。もっと穴が開いていたりするんじゃないの。


講師の方々ありがとうございました。
いよいよ佳境ですね。TAも全力でサポートするので、ラストスパート頑張ってください!

TA最終エスキス

最終提出まであと1週間となりました。
今日は先週に引き続きTA統一エスキスを行いました。
参加メンバーは高瀬、川島、草川、中川、中島です。

 

 

以下、エスキス概要です。

S:学生
T:高瀬
K:川島
N1:中川
N2:中島

〇児玉くん
キノコのスタディを進めている。ボードで構成するのではなく、線材で構成したい。
さまざまな帯で冷却されて循環するものを目指す。
今日でキノコの形状を決定し、今後はどうキノコをプランに落とし込むかを検討する。
 
N1:なぜ三角形なのか?
S:夏の日射を避ける⇒配管に水を通さなければよい⇒屋根勾配を検討する必要なくなった⇒天空面との形態係数を最大化できる方向に屋根を向ける
S:最大効率となるアスペクト比を求めるのは無理。
断面積・アスペクト比・放射面積の3要素をどう物理的に決定するかが課題。
K:べったりすると細分化した意味がないのでは。
S:この模型はまだ案でしかないなので、ぜひそうしていきたい。
K:グニャグニャした造形にしたかったのでは?
S:飲食店として成立させるためには、ある程度矩形が必要になってくる。
K:帯幅は60cmがよさそう。
K:熱容量を確保できる部位が建築に準備されているのか?
T:躯体が暖まりすぎると、集熱しないので、それを解かないようにする。
K:ディテールが見えない。自然対流が無謀なのではないか。
S:夜間放射だけでは自然対流が起こらない可能性あり。そこでポンプを使ってしまうと本末転倒になってしまう。
N1:急に設備っぽくなってしまった印象。
N2:模型の作り方が良くない。
T:1個1個の考えと造形がつながっていない。大胆な造形を目指した方が良い。
N2:全体模型、1つ断面模型(1/100)を作るべき。


〇藤間くん
どういうシャフトに機能を与えればいいかを考え、空調器と冷熱源をつなぐ配管で放射冷却装置として機能させる。
しかし、まだシャフトによって空間構成を成り立たせられるほど設計ができていない。エレベーターやトイレの壁が構造壁となる。
 

K:構造様式は乾先生の浅草のビルを参照できそう。プランの描き方は、一部楽しそうなものを示せばよい。シャフトの周辺への影響を読み取れるプランを作成すべき。
新たな空調システムに〇〇℃、△△℃、この空間には■■MJ必要で、諸室で求められる熱量・温熱環境をリストアップするとよいのでは。
S:メディアテークのようにシャフトが空間に影響するようなものを目指したかったが、実現できていない。
K:本数だけ一緒でいいから、位置はずれてもいいのでは。
N1:斜材として利用することも可能。
K:全部同じシャフト配置で、多様なプランは作れない。だから階によってシャフト位置が変わって配置させてよい。造形よりも、設備の話を優先的に完成させるべき。


〇吉冨くん
パネルの表現として、平面図を立体的に折れるように表現する。商店街プログラムの変遷が提案の核となる。
商店街1階に新しく入ってきたコンビニなどのプログラムに公共性を孕ませるような設計提案を行う。
店の前面を開くだけでなく、一階の壁を一部壊してペリメータ部を道に開放することで、通風を促す。
 

N2:パネルセッションでは高い所か低い所に設置されてしまうので、自分のパネルの最上部と最下部に分かりやすい絵があると伝わりやすい。
N1:レイアウトが分かりやすくなされていないと、読む気が全く起きなくなってしまう。
T:コンペ案と基本的に同じレイアウトを真似するとよい。
N2:具体的には3部構成。①決めパース、②コンセプト、③プランなど詳細情報
N1:エネルギー消費量減ったときに、もっとKAPPYになることがわかる絵を!
N2:コップよりも、もっとシンプルな図の方が良い。あさってまでに決めセクションを作りこむこと。①日影図で都市環境の現状問題提起を行う②庇
N1:行う操作を5段階くらい並べていく!
S:操作は②’植物、③セットバック、④地面の土化、⑤煙突集熱の挿入


〇小原くん
太陽との関係から、建物は非垂直。民族博物館に入る地域と棟の環境を対応。
あるシークエンスとして朝から夕方まで太陽の動きとともに人が動き、多様な空間体験ができるように設計を行った。
 

K:プラン・セクションの情報が足りないのでは?でないと、こいつ全然建築できない人だと思われかねない。1層を大きい図面で表現してもよい。
N2:決めパースはかっこよく作れる見込みはあるのか?
K:Maxwellで作成するとよい。模型は?
N2:1/100,1/50など高解像度で検討していることを示す必要もあるのでは。
S:部分模型を作る範囲しか解いていない。
K:模型作る範囲だけ解けていれば問題ない。パースが絶対に必要。
S:FD9を回してもあまり差異が出てこない。Excelベースの受熱量計算をしたときはもっと差が出てきたのだが・・・方位角と傾斜角の2変数により受熱量が決定される。年間積算ではなく、春分夏至など特定日で求める環境を実現したい。
K:技術的アシストが必要そうなので、まず自分でできる図面などを済ませる。


〇清野くん
今まで断面ばかりを考えてきたので、今回は平面構成を考えた。
各方位に対して中心がずれることで自然採光を求める、西日を避けるなど必要な温熱環境空間を得る。
プランが面白くならないのが課題。
 

N1:全部の階のプランを描く必要はない。地上階、真ん中、基準階とか。
S:分厚いスキンから積層スキンにすることでプランが変わり(商店がオフィスに絡みつく
)、環境も変わる。
K:stepを踏んだダイアグラムが分かりにくい。(特にスキンを積層していることが分からない)BIGを参照すべし。
N2:入るプログラムを具体的に想定して設計を進めていくと、プランが面白くなってくるのでは。べたなので言えば、本×オフィスなど⇒方位の話と結び付けば面白くなるかも。
タイムスケジュールと絡んだ話をすることになりそう。
T:周辺との関係からレイヤーを作っていく設計原理が分かりにくい。また、コンセプト図のビフォーアフターの変化も分かりにくい。
S:模型表現をどうすればよいか。模型写真を利用して決めパースを作りたいが、1/200だと小さすぎるか?
K:1/100で作ること。できれば適切に点景を挿入し、商店っぽさを伝えられるようにする。


石綿さん
夏涼しく、冬暖かい煙突の空気を、底面積を増やすことで水を利用した建築を目指す。
オフィスは山の中に入る。品川のオフィスビル群と対比させたい。
 

K:オフィスを1層にすることで交流が生まれるというが、戸建住宅と何が違うのか?
S:「うねうね」がある。
N2:形はいいが、土地がないから超高層化している現状に触れられていない。超高層で同じことができたほうがいいのではないか、と言われそう。
S:現状ではオフィスは上階の方がいい。しかしこの案では、煙突下の方がいい、地上に魅力がある提案。
N2:プログラムの名づけ方が重要。
K;こうやることによって、どれだけいい空間になるかを言えないと、東京ミッドタウンと全然変わらない。
N2:地上の魅力というと、公共性が必要。オフィスなどセキュリティが問われる空間はあまりよくないのでは。
K:市庁舎とか。
N1:「丘です」といって、中に様々なアクティビティを入れてしまったほうがいいかもしれない。名づけるとかえって難しい。
K:水と関わりのあるプログラムにはなっていない。一枚の壁で水面と行動圏が分断されている感は拭い去れない。


〇王さん
レンダリングが未完成。
 

K:平面図1つ大きなものを作り、残りは小さい縮尺でいい。
N1:鱗細部説明のレイアウトを縦に。
T:環境シミュレーションなど、何を検討しているのかキーワードをのせるべき。
N2:航空写真を用いるのはナンセンス。
一同:手描きがベスト。
N2:1/300くらいのものが必要。


〇北潟くん
インク切れのため肉色となったパネルがかっこいい。
鳥瞰パースに3Dで立ち上げる。山はRhinoで立ち上げる。
 

K:Rhinoでは山を立ち上げられない。
S:グラスホッパーで山の高さ・道幅などパラメータを変化させて風の通りやすさをスタディ
N2:1週間前にすることではないのではないか。
S:臭気に関する論文を調べたが食肉工場に関するものはなかった。自動車排気ガスに関する論文によると、風速が臭気問題の要因ということが分かった。それを応用させて臭気問題を物理的に解決していく。
K:ファンつけるのであれば通風を考えた形は意味を持たなくなってしまう。
T:負圧最大になるのは半球ならば頂部。そこから風が抜ける。
S:パラメータは風出口の形状ディテール、ボリューム大きさ、入口の吸引しやすさの3つでよいか。
T:パラメータとしてふるよりは、定性的な知見を考慮すればいいのでは。


〇富山くん
リサーチから設計までの流れが不十分だったので、四合院のあり方を再考した。
住宅が足りないことによって衛生環境が悪い⇒箱型の集合住宅に建て替えられている⇒中庭や周辺で行われていたアクティビティがなくなってきている⇒その問題を解決する形を提案する。
縦の院子ではもともと四合院で行われていた行為を行う。
 

S:外からみられてしまう四合院の問題を解決するため、奥まった所に配置する。
K:視線を考慮したにも関わらず、なぜ均質なのか。〇mだとどのような意味がある、というようなカテゴライズはなされているのか。
N1:何を根拠に操作しているのかが分からない。そのために、ダイアグラムで原理を宣言してから設計していくべき。
N2:四合院の現状の問題から縦のボイドが生まれる。横の院子は?
S:縦のつながりは物干しなどあまりつながりたくないアクティビティが展開される。一方、横のつながりは麻雀などコミュニティの場として機能。
N1:人口減少が進む今後の中国において、積層したことによるメリットはなんなのか。
全部ネガティブな発想なので、もっと楽しいことを起こせる提案でないと、魅力的な案にならない。
S:無風状態でも風を起こせるというメリットがある。
N2:バルコニーはあるのか?
T:囲ってしまってサンルーム化されている。
N1:物干竿だけが外壁に表出する不思議な風景である。
N2:造形のボキャブラリーを抽出できないとまずい気がする。
K:何かに特化した空間を作っていった方がいいのでは。
N1:東京だととても閉塞的に思えてしまう外部空間だが、中国だとそれが求められている。そして快適になっている。そのような場が現在の中国にはないので、作っていくことで・・・というストーリーを組み立てるなどするべきでは。
T:一人で考えるにはスケールオーバーしている。


〇松田くん
水再生センター。アンチ再開発に挑戦したい。山手線の内側千万人分の水を処理している。建築として可視化したい。超高層の非空調につなげる。南風のウィンドキャッチャーとなり、冷やしながら。
上階に行くほどゼオライトの粒子が荒くなり、風を取り込める。
かっこいい内観パースが描ければそれでいいかなって感じです。いい感じのプログラムを挿入したい。
建材としてレンガを用いる。
 

N2:現在計画されている超高層へのアンチの案として、また超高層で対抗するのはいかがなものか。
K:水処理センターの真上に建つ理由は?
S:水処理センターを可視化したい。
K:水処理センターと対比されるようにSONY本社ビルとして建てればいいのではないか。
N2:提案したい超高層に一般性を持たせたいのであれば、「水処理センター」という特殊な土地にこだわらない方がいいのではないか。ここでないと成立しない、というのは、ここが再開発地区だから、という理由だけではないよね?
K:話を単純にしたいのであれば、敷地を一般の所にすればいいのでは。
K:WTunnelで検討した結果、高層ビルの上階が突き出したような形状が取り込めることが発覚。数々の検討を行い、意思をもって穴をあけては。そして木曜日には自信をもってプレゼンできるようにしたい。


紺野さん
敷地周辺の風の流れを検討し直した。理想とする空間を求めたが自信をもって求めるものがなかった。
そこで多様性を求めたら何でもありなのかと考えてしまい手が動かなくなってしまった。
 

K:なぜこのユニットでやるのかの説明がない。
S:動線からはみだしていくアフォーダンスを出したい。
K:他に性能・メリットはないのか?
S:6面あるキューブは閉鎖的。それは非空調空間にはそぐわないため、4面のユニットを設定した。しかし、そこに意味を見いだせなかった。
K:意味は後付けで全然構わない。
N2:F本S介のむさび図書館とか、意味付けは後付けでしかない。
K:スラブを挿入してしまうとボックスの良さが失われてしまう。挿入してもいいが、ボックスの存在感をキープしないと!
N2:柱を描くだけでぐっと建築っぽくなる。
N1:外部空間が多すぎるかもしれない。
N2:裏動線と客動線とを考えると建築になってくるのでは。敵は「駅ビル」。それへの対案を突き詰めてほしい。

*****

残り後1週間、そしてエスキスも明後日が最後のエスキスです。
そしてどんなに今苦しくても、全員自分の案を形にして提出しましょう!!
今が最も踏ん張り時なんです。

TAの私も前スタを昨年まで経験していましたが、最後の最後まで苦しみの連続でした。
TAに嘲笑されることもしばしばでした(笑)
最後の24時間で形にしてみたら、案外形になってきた人もいました。
諦めてしまったら後に何も残りません。

もうひと踏ん張り、頑張って行きましょう!!

講師統一エスキス

最終提出まで2週間を切ったところで、このエスキスで案の方向性を固めるため、講師の方々全員で一人一人の案を見ていくという形を取りました。
来て下さった講師の方々は羽鳥様、末光様、中川純様、前先生です。

   

以下、エスキスの概要になります。



○紺野さん

L字型を2つ組み合わせたユニットを考える。すると、屋根・壁のでき方が8種類できる。これらを組み合わせることで建築を組み立てていく。駅や周辺環境、風環境によってプログラムを規定していく。現状と違い、街にオモテを向けて開くことを考える。

 

羽鳥様(以下H):シミュレーションによって、変えようと思っているところは?どのような環境を作りたいのか?何を良しとするかがないと決まらない。またそれは、いろんなシチュエーションを想定していることが大事である。まだ形との関係性が薄い。
前先生(以下M):風を最適化したいという形には見えない。プレハブなのか、しっかりした建築なのか、そこも想像できない。
H:これは見せ方の問題。ロジックの組み立て方である。
中川純様(以下N):木漏れ日が今もキーワードなのでは。基本の方針は良い。まずは日射をもっと細かく見るべき。
H:プログラムは商業施設?組み立てのロジックは、商売として成り立つ場所をつくる→風を利用するという流れの方が良い。
M:ディテールまで詰め切っているということが大事なのではないか。こだわっている感がないように見える。
H:画一的な何かで全部解く、という風にならなければ良い案になりそう。
N:シークエンスの問題。日射・日影を肯定していく。良い場所・悪い場所を評価していくこと。
H:選択する余地をうまく見せられないといけない。
M:スケールも同じなので、どこに多様性を持たせるかが大事。
N:この案の肝は「環境による知覚的な多様さ」である。



○小原くん

受熱環境を変えることで建築の環境を考える。中国の主要な都市を調べると、10種の気候区分が出てくる。プログラムは民族美術館とし、それぞれの都市の気候を展開していく。北京との気候差を手掛かりに傾斜に当たりをつけ、マテリアルによって詰めていく。

 

H:それが証明できるかにかかっている。マテリアルだけでなく、スケールの問題も含められると良い。しかし、まずは傾斜とマテリアルで良い。
M:中国の気候を再現するというのは納得できない。湿気は論じていない。この形である理屈は別に用意した方が良いのでは。形はこれで良いが、理屈は別。
N:生成原理から行くと、1本1本が完結するのは難しい。分散をつなぐことを考えることが大事なのでは。テーマはずごく良い。
H:完全な気候を再現する必要はない。どのように展示空間に環境の要素をふまえるかが大事。話の順番を変えれば良い。熱だけでなく光環境も大事である。ずっと晴れているとか。
N:温熱環境はここの地域と説明する必要はない。無意識に感じる、で良い。
M:苦し紛れでないということを伝えること。納得感が得られるか。
H:展示されるものはどのような時どう使われるか、しっかり調べること。
N:温熱環境を操作することは無意識を操作すること。



○北潟くん

食肉工場の臭気問題を解決する方法として、土壌浄化装置の仕組みを利用する。土の下に空気層をつくり、臭気を土に多く吸着させ分解させることで、土壌も豊かになる。外気を多く取り込むような山の形状で、上にはお花畑などをつくる。

 

N:随分良くなった。
H:屋根の形はどうなったか?工場としての働く空間まで言及できると強い。光や気流など。今までは臭気によって自然換気ができなかった現状に、どれだけ貢献できるかを言えると良い。趣旨と結果を簡潔に言うこと。共感はかなり得られやすい案のはず。
N:細かいことはどうでも良い。案は良いのに、最後の方失速するイメージがあるので、やりきってほしい。「社会が変わった」ことを示すこと。
H:寺澤さんの案はヒートアイランド現象にどれくらい寄与できるかきっちり計算できていた。
N・H:迷わず行くように!!!!!



○吉富くん

商店街の衰退に対して、づくりのツールを提案する。蔦植物による涼しさ、その冷気の建物への取り込み、地面が土の屋外空間を考える。庇は手がかりを影として、庇の伸び方を考えていこうとしている。

 

末光様(以下S):類型は何種類かあるのか?
H:日常のディベロップなので、以前の問題をしっかり示さなくてはいけない。
S:何のための提案なのか、はっきりすること。
H:地味なのは良いが、どれだけ本気かを伝えること。どれだけ精度の高い空間になっているか。
M:物凄い時間をかけたことを感じさせること。
S:緑のかけ方をテーマにしたいのか。
H:これによって空調空間が減ったとは感じにくい
M:これは建築の操作ではない。どのようなパラメータをもって突き詰めるのか。
H:見せ方の問題。何を相手に、何を良くしたのか。確実に良くなっているというところ、文化的な希望的観測のところを分けてプレゼンした方が良い。四季の変化もしっかり表す。
S:植生だけに見えては弱い。
N;他に考えているのだから、プレゼンにちゃんと入れ込むこと。
S:ストーリーを強化するわけでなく、緑のかけ方のデザインに力を入れた方が良いのでは。それによりどんな多様な影ができるか。
H:植物が育つアルゴリズムが存在するくらいなので、そのようなものを反映させられたらと良い。



○林くん

ヤオトン空間から地下鉄を構想する
ヤオトンの要素をグリッド・動線・拡張性の3段階と捉える。B1は周囲空間からボイドを考える。B2はB1でもグリッドの交点を中心とした光を取り込めるボイドを考える。B3は地下鉄の風を引き込むところとしてのボイドを考える

 

H:これはかなり広い面積がないとできない。内部空間の絵をもっと魅力的にしないと。
M:地下鉄をなぜヤオトンのロジックでやるのか。その前提を入れること。鳥瞰のパースは良い。何が起きるのかのプログラムがないと、この面積が正当化されない。
H:地下鉄の内部発熱量は想定しているのか?例えば東工大の梅干野研究室では換気について研究されている。
S:人の発熱が多い
H:ヤオトンに加えて何かがないと。ヤオトンを適用してハッピーになるのか。光に関しても、断面の形やテクスチャなど。
M:細かい操作がどうなっているのか。
S:解析しているのに関わらず、ヤオトンの適用の仕方が「掘る」にとどまっている。
M:天井厚などのスケール感をもっと適用させないと。
H:ヤオトンよりは涼しさを得られそう、人の多さとのバランスも考えられたら良い
S:形態の生成論理を深く読み取れてないため、メタファーに見えてしまう。掘り方の原則。M:空気の温度を決めるためにはどのような要素が関わってくるのか、とか。
S;堀った土をどうするのか設定しても良い。自分だけが知っているヤオトンを引き出さないといけない。
N:歴史からは環境的な原理は読み取れないので、シミュレーションから発見していくしかない。
H:できることなら同じ位の気積の洞窟を実測してみるとか。中にいる人の快適性は?



○米澤くん

自給自足型の球体建築をつくる。球であることで、空気の流れをなめらかにする。球の中をえぐっていき、人々は太陽の動きを追うように建築の中を循環しながら生活する。

 

H:構造的にはどうなるか?スラブがもたないのでは。
S:えぐり方はどうなっているのか?それが気になる。構造的な合理性がかなりのウエイトを占める。簡単に説明できるように。100人は少ない。
M:提案していることを実現するロジックは?形の合理性の裏付けがほしい。熱が上に循環する、だけでは弱い。
H:環境的には何か言えるかもしれないが、建築的には著しくおかしい。他の形を比べて球の何が良いのか?
S:実現することも素晴らしくないと。
N:建築として実現させようとすると圧倒的なナンセンスに陥る。その矛盾を暴くのか?
M:全部ガラスでは多様性が生まれる気がしない。対極の素材を使っては。循環のイメージできない。機械の力を使っていてはいけない。
H:水の循環に関して言えば、中の人の使った水が上に行くのか。
N:パースには屋外に人を入れてはダメ。共食いしているヤギとか。
M:「循環」がキーワードになるはず。オモテ・ウラの論理をしっかり固めること
N:熱を集める・熱を放出するなど方法論をまとめること。



石綿さん

下水処理場に土の大屋根をかける。また、5mグリッドにしたがって地面に凹凸をつけ、水の蒸発を促す。プログラムはオフィス空間とこどもの遊び場。

 

S:煙突案はなくなったのか。
N:三次曲面+煙突のイメージをもっていた。
H:再開発中のビルへの批判はあるべきなのでは。どうしても、北潟くんと比べられざるを得ない。大量に水があることをポジティブに使わないのか?
M:どこを売り出すことができるか?
S:浄化させるのは土で、浄化した後の水の利用の話は別、というのは本末転倒感が否めない。煙突とかの臭気を逃がすシステムと地上に生まれる空間は一体的であるべき。
N:煙突の方が良かった。煙突は周りの空気を誘引させる装置。
H:煙突をデザインすれば良い。
M:高さだけでなく、負圧を最大限引き出す仕掛けを考えること。引きはがす力を利用する。
S:煙突の下で皆がめっちゃ楽しそうな光景。
M:何のための高さなのかをしっかり考える。
S:事例を探すだけでも参考になる。



○富山くん

共有できる空間をつくる。四合院の中庭空間を3次元に展開していく。視覚的なつながり、日射取得のための縦の因子、庭のつながり・通風のための横の因子を展開させていく。それをからませることで共有空間ができ、垂直動線確保する。

 

N:非空調とどう絡めるのか?
H:リサーチがナラティブすぎて、まだ浅い。環境的な発見はあったのか?
S:形式的な模倣になってしまう。
N:通風がされないのであれば、そこには必ず理由があるはず。
S:歴史を乗り越えた形式にするにはかなりの説得力が必要。
N:もうちょっと四合院を尊敬しては。セキュリティだけでなく、良い部分もあったはず。
H:揚げ足取りに見られないように。
N:悪い部分を三次元にすることで解決する、というストーリー。
S:例えば、抜け道最低限で風が抜ける方法を四合院から展開した、など。
H:本来両立しないものがしっかり解けているなど、コンフリクトがない。
M:超オープンなプライベート空間、とか。
N:最大限のボリュームに最小限の操作で非空調空間をつくる。



○藤間くん

ノマドワーカーのためのオフィス。内部に様々なスケールの空間を展開し、そこに温熱・冷熱を移動させるシャフトによってさまざまな環境を作り出す。

 

N:温熱環境によって、どういう作業内容・時間が良いのかのバックグラウンドが必要。
H:人気がある場所はどうなるのか?予約制ではノマドの意味があるのか…
M:密度がこれで良いのかが疑問。シャフトが空間を作っている感じがしない。パイプの本数が足りない。
S:輻射の機能はこれではない。空気で送るのでは人工的すぎる。人工的なハワイをつくる娯楽施設と変わらない。
H:全部が全部特殊な空間なのか?普通のものとのバランスがわからない。
N:空調=生産性・非空調=創造性は良いが、空間に表れていない。
H:単なる生産性から創造性へという研究は沢山なされている。もっと深く掘りこんでいかないと。
M:シャフトに命かけてます、というのを見せないと。
S:上下階の濃淡を作る仕組みとか。
H:人が快適に感じる要素をどう盛り込んでいくか。



○兒玉くん

北千住西口の繁華街への提案。建築同士の隙間に電化冷蔵庫を挿入する。人のアクティビティと関係づけを考えている。

 

S:模型がすごいことになっている。
M:建物に熱的な何かを挿入することが大事なはず。暴力的ならそれを貫けば良い。屋根はその形で良いのか。
S:ストーリーは良いのだが、建築のデザインの強度が弱い。
H:これを採用している良さをもっと引き出せないか。
S:行き着く先が、これを発明した人が偉かった、となりかねない。
M:スカイラインをこうしていくというストーリーをつくるとか。
N:ストーリーは悪くない。
H:ビフォアをしっかり見せないと
S:あとは説得力をもつかというところ。風景としてできあがるものが、ソーラーパネルとあまり変わらないように見えてしまう。のっけるのでなく、さすことの意味は?



○清野くん

薄いスキンの重ね合わせによって屋外から非空調、空調空間をグラデーショナルにつないでいく。それは駅からの流れ、川の流れを巻き上げるようならせん状の動線を持ち、各壁面は周囲の状況に応じて建築的に、環境的に応答する。

 

S:建築的な思考ができるようになってきた。
H:すごく良くなった。今言ったことをちゃんと表現できるか、また、しっかりプランに落とせるか。
M:現実的な設計とかけ離れているのはどうなのか。
S:何が主題なのか。
H:プログラムを混ぜることで、主題がぼやけてきているのが気になる。
S:住宅はいらないのでは。周辺環境からのグリッドの操作は内部空間につながってくるはず。住宅でやるのであれば、オフィスとの差異まで踏み込まないといけない。
N:もっとファサードに多様性が出てくるはず。螺旋を意識しすぎている。
S:周辺から環境的な要素ももっと反映させないと。
N:ダイアグラムに周辺も入れて、周辺への応答を示すこと。
S:オフィスは均質な環境だけでない。説得力のあるプランをかけるかが勝負。



○王さん

外形・谷・うろこの形状を細かくスタディ。そこから光・熱環境も考え、方位性のある建築にしたい。動線は中心をコアにして派生していくようなもの。最後の模型は3Dプリンターで作る予定。

 

S:アウトプットする模型がちゃんとできるかが心配。一回は今すぐ試した方がよい。うろこはうろこでつくる。
H:どれくらいの精度でできるのか。まずは、砂にうずもれているのがきれいにポジティブに表現できないと。
S:ヒトデを削り出すとか。
N:どうかって精度を上げていくか。ストーリーは良い。
H:省略するセンスが重要。何を大事と思うかをしっかり伝えること。



○田中さん

堤防の位置に壁を建てることで、河川の風を街区の方へ促す。壁は、水や電気をとれるような設備コア的なものを考えている。

 

H:屋根とかはないのか。
S:普段見えないものを見つけて操作する、その視点は良い。ランドアートみたいなもの。
H:アートとしてやりきる。環境的なランドアートはかつてない。しかし、10mは高い。せめて半分…。
N:鳥瞰的なパースに壁が建つところ。
H:街区への良い影響も表現できると良い。
N:それぞれの道に対して解を見つけられると良い
H:日本中の一般解になり得る。普遍解として提案できると良い。
N:早くプレゼンをつくること。
S:壁に機能をもたせるか。アルミの板で除湿するとか。
N:やりたいことをきちっと言い切る。



○松田くん

シロアリの塚を転用。既存の外壁にゼオライトをつけていく。風やにおい、日射、排気ガスなどの環境的な要素それぞれに特化した形態を導き、一つのビルに様々な表情を出すことを考えている。

 

H:まず、ある程度作ってしまった方が良い。
S:スケッチブックの文字が多すぎなので、まず作ること。
H:フィルタリングの問題は解けるが、採光は怪しい
N:アリは目が見えない
H:矩計を書いて検討した方が良いのでは。ガラスは採光するところと呼吸するところがある。そこをまずはふまえることが重要。ダイアグラムのようなスケールでは進まない。
S:オフィスに必要なガラス量は?そこからゼオライトのスキンに作り方を考える。
H:従前のものがどうで、何を良くするかを考えないと。結局イメージになってしまう。
N:全部をそれで作ろうとしているから手がとまっているのでは。
H:ゼオライトは交換しないといけないのでは。
N:自然にあるものを適用しようとするとどつぼにはまる。自分なりの解釈が必要。
S:オフィスにこだわるのか、ゼオライトにこだわるのか。オフィスの中でも暗くて良い機能は?眺望の問題もある。
H:ポツ窓にすれば良い。



今回はどこを強みとして、残りの時間どこに力をかけるべきかがより明確になったのではないかと思います。
あと1週間半、悔いのないように突っ走っていきましょう!

TAも精一杯サポートしたいと思いますので気軽に院生室に来てください!

     
  

TA統一エスキス

最終堤出まであと2週間ということで、色んな人の意見を聞いて案を膨らませる段階から、案の完成度を上げていく時期になりました。それぞれの案が進む方向性を統一するために、今回のエスキスではTAが受講生にアドバイスをする場を一つに限定し、一人一人の案を順番に見ていきました。


●米澤くん

球の配置の間隔を考えた。冬の日射が隣の球にかからないピッチが500m間隔だと割り出した。しかし、北京で言えば6環より広い範囲で置いても1万2千個しか置くことができず、一つの球に対して100人収容なのでそれでも100万人しか収容できず、北京の人口2000万人に対して心許ない。一番上が常に暖かくなるので、そこに菜園や畑を入れる。日射が必要な面積分に関しては、なるべく日射を遮らないような配置にしたいが、そうすると空間が疎になりすぎるので配置が難しい。

TA
いくらなんでもスラブが疎すぎるように見える。また、表面が開いたり閉じたりするような操作はするのか。真夏とかずっと閉じていたら、40℃50℃行くかもしれない。シェルターでありながら、季節ごとの環境的な危険性をどう回避するのかのロジックは必要。この球の大きさやスラブの入れ方を決めるストーリーは工学的に徹底的に検証されていなければならない。全体のシステムの成立のロジックの整理、環境的な優先度でプログラムを配置していくロジックの整理をして優先度を決めて組み立てるのが良い。


●田中さん

北千住の荒川の周辺を敷地に考えていて、市街地に川の風を流して、快適性を上げたい。堤防に色々なものを付加することで市街地の道に風を流すことを考えた。20m高さの壁を建てることはわかっている。太い道があるところに一里塚的に配置していくような風景が描ければ良い。

TA
まだ1枚だけ立っているシミュレーションしかしていないのでそれが複数枚あったときどうなるのかが気になる。20mの高さはさすがにきつい。6mぐらいの高さでいけないものか。一つの道に対して一枚の壁ではなく、分割されたようなもので良い性能が出せないか。形としても大きさとしてもなるべく弱い操作になり、それが小さな建築として河川敷にも街側にも役に立っているようなものを目指して欲しい。このままシミュレーション続けて形状を決めていくのが良い。


●小原くん

プログラムは民俗博物館を考えている。中国の小都と呼ばれているような地方の少数民族のための都市にも美術館はあるが、そこにあるのはその地方とは関係ない、中央からきた美術品ばかりである。実はそういう少数民族の美術を展示する場所はない。各ボリュームを傾けてその地方の気候を再現しながら、それぞれの地方の美術品を所蔵する美術館を考える。ボリューム同士の配置は極力それぞれの気候に影響を与えないようなものにしている。スラブをボリューム同士が貫通させることによって動線としても働きながら、環境調整の装置としても利用する。

TA
気候とともに展示するというアイディアは良い。ただし季節によってはその地方の気候が再現できない時が必ずあるので、その時のストーリーにも説得力を持たせなければいけない。また、その地方の気候を再現するのならば、各ボリュームのプロポーション、断熱性能、熱容量も変わってくるはず。例えば、マイルドな気候を再現するのだったら高断熱高熱容量になる。その地方の気候を再現するのであれば、その地方の作物も栽培すれば良い。ドライブさせる余地がたくさんあるので頑張って欲しい。


●兒玉君

街区全体をやるのはきついから、一番ピンポイントな場所のスタディを行なった。屋上の放射板の造形としては前回まではあからさまに刺した表現をしていたが、既存の屋根と一体化させて後付にみえないようなものになることを目指した。熱を吸う場所は既存の建物の隙間の両サイドの壁側からだと考えている。

TA
熱を吸う部分の「きのこの根」の部分のデザインがかなり大事。効率よく熱を採取する形として建築の中に差し込まれながら、家具としても使えて人のアクティビティと関係しあうのが良いのではないか。次のエスキスまでに、根の部分と人のアクティビティの関係を10個ぐらい描けると良い。
飲み屋の中のプランについては商店建築という雑誌が図書館にあるので、基本的な寸法の参考にして欲しい。


●藤間君

ノマドワーカーのためのオフィスを作る。東京の中では体験できない環境をビルの中に再現し、働く人は様々な環境の中を移動することができる。日射の入れ方、風の通し方でまずベースの環境を作り、そこに熱を移動させるシャフトからの放熱、空調の室外機、室内機からの放熱が重なり狙った環境ができる。例えば最上階のジャングルでは、基本的には熱を出すパイプが多く配され温度が高く、クーリングタワーがあるため湿度が高くなる。しかし一部には冷たいパイプが通っており、そこはガラスで囲ってワークスペースとする。

TA
ネタは出揃っているのに整理が下手で図面まで落ちてきていない。考え方としては、空間のプロポーションや組合せ方でパッシブな温熱環境が生まれたところに、どういうプログラムを入れたいから、どのようにパイプ、室内機や室外機を入れていくというステップで部分から組みたてて行けば良い。全体のシステム、温熱源と冷熱源、室内機と室外機のバランスがどうなっていて、合計でどの量の暖房負荷、冷房負荷の空間を担保できるかという試算も必要。局地環境ではない普通のオフィスの部分の入り方も考えた方が良い。


●清野くん

川の流れを巻き上げるような造形の建築。ビルのファサードを螺旋状に切り欠き、そこに住居や商店が入ることでオフィスと都市、川の境界を連続的にしながら、非空調領域を増やしていきたい。

TA
普通のオフィスにこの螺旋を組み合わせることで、どう働き方が変わるとかいうストーリーが示せれば良い。今の造形と清野くんが建築で言おうとしているものが一致しているから良い。螺旋の空け方が太陽に対する方位性や、面ごとに直面している環境負荷を反映していればすごい良くなる。螺旋による周辺敷地の読み込み方については中央アーキの外苑前ビルディングを参考にすると良い。


石綿さん

敷地のそばにある小学校が、800人弱と港区でトップクラスの児童数を持つ。かといって高層マンション開発で増えた子供たちなので、十分な遊び場があるわけではない。浄水場の内部の仕事環境を良くしながら、上の方を遊び場として使えるようにする提案とする。施設の場所特有のグリッド、水槽の大きさの寸法を形態操作の手がかりにしていきたい。高低差のある地形が子供たちに求められているので山のような造形を作る。臭気の話が今は良くわからなくなってきるので、その話は置いてある。

TA
今の案はすごく均質であるので、コントラストをつけていく手がかりが欲しい。グリッドの大きさによって造形が変わっていくという操作になるのかもしれないが。それぞれの水槽のなかにある水に対する関わり方を建築化する方向が良いのではないか。一番汚染された水が見かけも悪く、匂いもあるのだったら、その冷熱だけ使えるような携帯操作をする。最後の水槽の中にある綺麗な水は表出させれば良い。水との関わり方を建築化することによって豊かなランドスケープが形成されるような案を作って欲しい。


●富山くん

四合院の形式を参照し、その環境を立体的に拡張することによって、北京にいる全ての人が集えるような場所を作る。ボリューム配置でスタディするとよく分からなくなったので、ソリッドな外枠を最初に規定して縦横にボイドを切り欠いていくような設計をした。例えば縦に深く空いた穴は四合院のような安定した環境を作る。大きいボイドを中心に住戸が展開する。前回までのようなスタディだと、全体が薄ぼんやり暗くなってしまうのでこういう案にした。
TA
前回までやっていた四合院を積むという操作で実現しようとしていた空間の室は貫かれているのか。造形のやり方は今回提案してくれた彫塑的なものと前回までやっていた組立式のものがあるが、木造文化の中国に建てるのであれば、組立式の方が良い気がする。しかし、彫塑的な方が建築を組み立てていきやすそうなので、2つの間を狙った造形をして欲しい。富山くんが当初から問題的していた貧富の差という話をもっと建築まで落とし込み具体化した話をして欲しい。集合させるという価値をどう建築で実現するのか突き詰めて欲しい。そこに強い自己主張を込めることができればもっと良くなる。


吉冨くん

衰退していく商店街に対して街づくりのツールを環境方面から提案したい。日射遮蔽と植冷たい輻射熱源としてツタを貼ったスクリーンを利用する。すると店舗の前面に非空調の区間ができてくる。日射遮蔽のスタディによってツタのスクリーンの形状が決まった。植物は路肩の部分が余裕があるのでそこから生やし、上に絡ませていく。スクリーンの大きいところには多年草の植物を、小さなところには一年草の植物をつける。
TA
吉冨くんの案はプレゼンで全てが決まる。今まで綿密に調査してきたプレゼンテーションの手がかりとなる、商店街のアクティビティを自分の設計する部分と合わせて早く絵としてアウトプットし初めて欲しい。文字での説明から脱却しよう。植物の配置についてはプログラムに適したものを具体的に組み合わせていくのが良い。店舗の裏に出来上がる通風の塔は店舗それぞれに個別のデザインをしていければ良い。


●紺野さん

駅ビルの空調された空間の中に閉じ込められている時間、お金、場所を、非空調領域をもつものとして設計し直すことによって解放し、成城学園の街ぜんたいにつなげていきたい。のユニットをパタパタと折って配置していくことにより場所を作る。空間の展開方法と人のアクティビティを組み合わせて適切なプログラムを配置していく。
TA
現状では床面積が既存のものに対して圧倒的に足りていないから、面積を増やす操作をする。現在は10m角のキューブを作るユニットしかないので、小さいユニット、大きいユニットを付加していけば、床面積も増えるし、建築空間がもっと具体化していくのではないか。ユニットの配置によって周辺敷地の読込が表出するというはなしは非常にしっくり来る。案をこのままドライブさせて欲しい。


●王さん

砂を飲み込む建築。建築全体の形状、砂をためる谷、ファサードの鱗などの校正要素が汚染物シミュレーションで性能が実証された。プランは動線計画や美術品、機能の配置により組み立てた。

TA
この建築はまずは特異な外部空間を形成しているはずなので、外構の植栽・環境の計画を個別の場所でしっかりして欲しい。また、平面計画と方位性の結びつき方をしっかり考えて欲しい。現状の案にはガラスの部分が設計されていないので、温熱環境シミュレーションをしようがない。まずどのようにガラスの入って行くかを決め、そこの空け方を検証していけばこの建築の内部と外部空間の関係性と、方位との関係性がようやく見えてくる。

松田くん

ゼオライトが色々な形でビルに付着していって、そのビルの環境をよくしていこうという話。作り方にあまりに取っ掛かりがないから構法の方向から考えようとしている。石を積層させて組んでいくやりかた、ボードにしてしまって空間を作っていくやりかたなど。ただ、空間を作っていくロジックが見つけられず悩んでいる。本来はビルの上空の方で窓を閉めきっていることに対して、強い風をやわらげながら、中に取り入れられるようにしたいという同期で建築を作り始めた。ゼオライトは匂いを吸着する力もあるので活かしたい。

TA
一つのビルを設計するのではないか。色んな環境負荷に直面する敷地、ある面は臭気、ある面は風、ある面は日射に直面していて、それに最適化したゼオライトの組み方を考え、ビルの全体像を作っていくのが良いのではないか。設計するビルは、リノベーションでも新築でもどちらでも良いが、一つのビルとして設計しないと密度の高い最終成果物ができなそうなので、一つのビルに集中して設計して欲しい。


●北潟くん

食肉工場の配置図計画を合理的に決めた。臭気の脱臭作用を外部にも貢献させるため、まわりの風を取り込むような地割を基本とした。工場の内部は、一階レベルは何も遮るものがないようにして、一定の風の流れを作る。風の流れを終端部にこぶを作り、そこに臭気を通らせることによって浄化をする。吸着された臭気成分は肥料となり、コブの上にはお花畑ができる。

TA
今は話を聞かなければ建築全体のイメージがわかないので、工場の配置、臭気を吸収する組物、その上にある丘が表現された模型を作って欲しい。それとわかりやすい断面図があれば良い。案は行けそうなのでアウトプットし始めて下さい。

          • -


エスキス内容は以上です!全体として見られるのは、一歩一歩は進んではいるけれども、なかなか案の本丸を攻めずに停滞している傾向です。苦手な部分もしっかり手を動かしてレベルアップして行ければ良いなと思います。あと2週間頑張って行きましょう!!