非空調域リサーチ発表 + 敷地調査事前準備

今日は一週間でリサーチしてきた非空調域の発表をしました。

発表順番決めでは、まさかのiPad登場。
レアルあみだくじで決めましたw

今日は外部講師の方にもお越しいただき、貴重なアドバイスをいただきました。
その場では分かった気がしても、次の日には白紙に戻ることも少なくありません。
自分では当然わかっていることも他の人はわかっていない、ということもまた然り。
グループで調査していく中で適宜意見交換し、理解度を深めていってください!


以下、各班の発表内容と講評です。


【4班】ガラス建築(吉冨・王・富山)
例① 丸の内OAZO
外気温14.8℃
室温約20℃
上下温度ムラ
空調吹出し口の調査
日射への対策は、ロールスクリーン・天井パネル(天井からの放射熱を遮蔽)

例② 行幸通り地下通路出口
・地上部4麺がガラス張り。
・西面は直射日光により南麺よりも温度高い
・東面は西面を透過した日射により暖められた部分がある。
室内温度分布測定
・B2FからB1Fへの温度分布をグラフ化。
・B2F〜B1Fはほとんど温度変化なし。
・B1F〜地上は温度急上昇
・内部外部で温度差7℃

縦に細長い空間:気流が生まれにくく温度ムラが多い

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前先生(以下M):なぜここを測ろうとしたのか?
吉冨:地下空間で面白い空間を見つけたかった。
M:まずガラス建築について参考文献調べてから調査すべき。
中川先生(以下N):鉛直方向に広がる空間を調べた。地面に貫入しているもの、していないもの。
         温度ムラとはいいことなのか、悪いことなのか。
吉冨:良いとも悪いとも思わない。
N:日射により上部が暖まる
M:横方向ではなく縦方向に広がる。地底都市を考えたら面白いのでは。
N:土に入っている場合、土に入っていない場合
  土温度はその場所における年平均気温に近い
川島先生(以下K):温度ムラとプログラムが対応した事例をリサーチしては。
     OAZOの天井カーテンは熱環境だけでなく光環境も制御している。
羽鳥先生(以下H):人の行為が大事。
     絶対的なものはなく、差によって定まる。
     ある環境に適するプログラムはなんなのか。
     フィルターがかかったままリサーチをしていても、発見が乏しいのでは。

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【1班】(小原、児玉、石渡)
飲食店11店舗の半屋外空間:境界条件に注目
ビニールシート。、解放されたドア、構造物
飲食店の半屋外空間は空調をしていることが発覚。
例① 高円寺高架下の焼き鳥屋
カーテン内部が快適
例② ビニールカーテンのありなしの比較。
例③ 御徒町2K540やなか珈琲店
高架下のみ温度が10℃低い
水が滴るほどの高い湿度にも関わらず快適

・空調あり
・空調による工夫
・空調以外の要素で快適さを追求

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M:小さいスケールな印象
小原:半屋外でも空調している
   適切なプログラムを配置。
児玉:非空調の飲食店は非常に少ない
H:壁が厚くなると客は入りにくい。
小原:2K540が居心地よかった。
N:結局空調に頼っていて、建築による所は少なかった。
 高架下はRCなので熱容量大きい。半分地中。空間のボリュームと快適性。
K:ビニールシートという低い外皮性能は面白い。
H:温熱環境を完璧なものを作っても意味がない。公共性を発揮させるには?
 アイスクリームやビールが急に売れ出す温度境界
 個人的なものさしでもいいので、独自のリサーチをしてほしい。こういうふうに測ったら面白い!と思えるリサーチを。

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【5班】(西倉・北潟・米澤)
様々な線上空間の風速調査
・トンネル
① 代官坂トンネル
トンネル内部は端部の気圧差により安定した値をとる
外部の風は内部に影響しない

麦田トンネル
間口が広いトンネル。
無風時は気圧差により一定の風速
風吹くと端部では外部の影響を受ける。

・街路(L)・路地(S)@銀座
グリッド配置、雁行配置によって、風の流れが変わる

・渋谷地下街
地上入口がウィンドキャッチャーとして機能
排気口により地下道は負圧→冷風が地下に流れ込む
・通気口の開け閉めにより、涼しい場所と温かい場所を作り出せる。

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M:機械換気をしているはず。冷熱源をつかわない・空気の流れを作る。
  地下の空気を動かそうとしたら、どうすればよいかをエンジニアする。
H:長いトンネルはどこから「地下感」が生まれるのか。
K:トンネルには厳しい法律が存在。→機械に頼っている。→
H:環境建築はコンパクトでないとならない。
M:ZEBは3階建てでないとできない。
H:ホキ美術館とトンネルギャラリー(恐怖感など)どっちが面白いのか。
M:お気に入りの空間の照度、音について測定値を。
N:トンネルの場所によって、熱容量が違うことによって、地中感の有無が決定させる。
 

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【2班】(松田・藤間・清野)
水産市場の温度状況
築地
屋外、半屋外、半屋外(水産)で温度比較

例①太田市
水産容器からの冷気
躯体が蓄冷(?)

例②足立市場
冷蔵庫、打ち水効果、

■冷熱源とボリュームの関係が大きく影響している

例③芝浦西運河
川風を生かせるのではないか

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M:なぜ市場は天井高い?
M:のこぎり屋根の形状は光環境を意識したもの。しかしこのデザインはいまいち。
H:より突っ込んだ調査をしないと、面白くならないよね。  

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【3班】体育館(林・田中・紺野)
例① 駒場第二体育館(くもり、空調なし)
表・温湿度、照度など。感覚
体育館の中心は人が増えると0.4℃上がった


例② 日本武道館
外部よりも内部の方が熱い。人体発熱・照明発熱

例③ 代々木体育館
照明7割
内部は湿度高い
照明によって室内が暖められている(なぜそういえる??)
玄関・体育館中央の温度が高い

例④ 御殿下
ジメジメ

例⑤ 東京体育館
空手前後で1℃温度上昇

代々木と東京体育館の空調吹出し口の違い

人の密度により、体感温度が変わる

 

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H:震災避難場所としての体育館、屋根放射が年寄りに悪影響。
K:レクチャー時など光をさえぎる必要があるため、ハイサイドテラスなど作りづらい
M:他の班と比べて自分の調査の特殊性はなんなのか。スケール感ちょうどよい!
   代々木体育館は最近の改修で空調が導入された。 

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前先生レクチャー
☆『見る・使う・学ぶ 環境建築』 勉強するならこれ。
『ガラスの建築学
 『エアコンのいらない家』わかりやすい、入門編
 『INVISIBLE FLOW』業務建築
『建築はどのように働いているか』名著
 『世界のスローハウス探検隊』
 『建築家なしの建築』
 『絵典 世界の建築に学ぶ知見と工夫』形のヒントになります

・100Wとはどれだけの熱量?
 ⇒1時間で100㎥を約3℃あげる。
・熱を逃がすには、表面積を大きくすればよい。
 例)エンジン
・スケール感と表面積の関係性をリサーチしてもよいのでは。
・夏と冬の気象条件を調べ、そこに焦点を合わせてリサーチを進めてもよいのでは。
・代々木体育館の吹出し口とエアコン吹出し口の形状の違い